地方から見た政治のあり方

無関心でも無関係でいられない政治のあり方。誰かが言っている事よりもまずは自分からどう見えるかが大事です。

広島への視察研修 その2ー東広島市(大学と連携したまちづくり)

下見地区、学生街のまちづくりについて

 広島大学の統合移転の経緯に伴い、賀茂学園都市構想(S48)〜周辺4町村の合併による東広島市市制の施行(S49)〜広島大学統合移転完了(H7)の20年の歩みがあり、移転先に隣接する下見地区の住民と行政による「下見学生街づくり研究協議会」発足(S62)〜区画道路整備完了(H12年)の歩みが重なり合って、まちづくりが行なわれて来ていました。そこから更に15年が経って現在に至っています。

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https://hiroshimadaigaku-homemate.jp/kinkou/

 

市街化調整区域の地区計画

 市街化調整区域においては、農地以外での土地利用に制限がかかりますから、例外的な地区計画を定めて、独自の規制緩和と土地利用のルールを定めるところから取り組みは始まりました。

 まちづくり協議会の場において地元代表者と市の協議会を重ね、それでもって地元説明会や戸別訪問を行ない理解を得ていったと言う事です。こうした取り組みが必ずうまく行くとは限りませんが、下見地区は住民の熱意があり、比較的広い土地を持った地主が多かった事も良い方に働き、話しはまとまっていったそうです。

 

大学と連携したまちづくり

 学園都市構想とともに、「広島中央テクノポリス」建設を2大プロジェクトに進めて来た説明がありました。そして東広島市にある4つの大学と連携してまちづくりを進めると言う協定を結び、生涯学習における連携があり、出前講座があり、学校や産業分野との連携があり、行政とも意見交換の場を設けて、あらゆる場で大学の研究成果を市民生活へ活かす取り組みが為されていました。

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【広島 道物語 一般国道2号 沿線見どころ 20 広島中央サイエンスパーク】国土交通省 広島国道事務所

 

学生は地域へのこっているのか?

 答えからいうと7割の学生は県外から来て外へ出て行くとの事です。それでも東広島市の人口は着実に増えています。そこには大学と連携した教育の充実などが魅力となっている面が活きているとの話しもありました。

 また、開発した産業団地は埋まっており、新たな開発が課題にも上がっているとの事でした。

 

課題は?

 ゴミ問題をはじめ、いろんな課題を抱えながら学生の街を地域に作ってきたし、これからも共に歩む事になります。地区計画で建てたアパートは用途変更が出来ず、空き部屋を抱えてしまっている現状もあるようでした。サブリースの絡みは聞けませんでしたが、家賃を下げる事などにも制限があるのではないかと思います。

 

香美市に活かせる部分を!

 ハード面はともかく、ソフト面はこれから取り組めるものばかりと思います。情報共有、課題共有にくわえて、課題解決にも学生の力は有り難いものです。連携を呼びかけていければと思います。

 香美市の規模では高校や、小中の取り組みでも大きな影響力を持ってくると思います。子どもの時の思い出がすごく心に残っていて、今も地域を愛しながら活躍している若者が本市にもいます。こういった若者が増えてくれる事が、どこの街にとっても必要なのです。そのためには大人も地域に誇りを持って暮らしていなければ、バトンは繋がっていきません。

 

 

番外編

 東広島市の市役所は完成して、3〜4年目の新しい庁舎です。10階建ての屋上は食堂になっており、北面が展望テラスになっています。酒蔵の街としても有名であり、オバマ元大統領に提供した大吟醸特製ゴールド賀茂鶴をはじめ、多くの酒蔵が集まる酒蔵通りのすぐ近くに市役所もあります。お近くに行く時は市役所も覗かれる事をおススメします。

 

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屋上よりの風景。手前の市役所別館の屋上には「酒」の文字の植え込みが!